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ファシリテーションとファシリテーションごっこ

初対面のメンバーが集まって,アイディアを出しあい,具現化していくことはなかなかチャレンジングなことだ.意図的に設計されたそのような場で,僕自身がその設計を成功と感じたことはこの数年で3回しかなく,かなり良いと思ったのも含めても4回しか無い.駄目だと感じたものは10回以上あるだろう.僕自身がそのような場の設計をしたことが無いので,このような批評はいささか不当に過ぎるかもしれないが,参加者からの声を残すことも重要と思い書き記す.

Unreasonable Kyoto (2013), TechCrunch Hackathon Osaka (2014), Art Hack Day (2014) がその三つで,Party of Future (2014) がこの三つに極めて近い.三つあるいは四つの成功例が,他の悲しい経験と比較して際立っているのは,設計者が非常に明確に議論と談論を区別していることだ.議論には議決があるが,談論にはそれがない.よく設計された場では,議論の時間と談論の時間が区別されている.一方で悪い設計の場合は,議論の時間そのものが無い.さらに悪いことに,設計者が議論と談論の区別を無視し,談論を持って「議論した」と主張する場合すらある.「議論する」とは議決を求めることであって,談論風発は議論の本質と関係ない.

と,僕はTEDx関係者に声を大にして叫ぶ.

Pstew’s Ice Bucket Challenge [YouTube]

僕は氷水をかぶったくちだ.この Ice Bucket Challenge に対する批判はみなさんもご存知だろう.

批判に対する批判をするつもりはない.ただ,まだ氷水をかぶっていない人たちが多分見落としているだろうことを,僕は書き留めておきたい.

僕は氷水をかぶった.たぶん,1年後も覚えているだろう.2年後も.もし高野山を再び訪れたなら,それが10年後でも思い出すだろう.なぜか?冷たかったからだ.身体的な記憶だからだ.

次に僕はこう自分に問うだろう.なぜ氷水をかぶったのか?悪ふざけか?ただの悪ふざけにしては手が込んでいる.理由を思い出そうとする.そして,ついにALSに対する寄付キャンペーンだったことを思い出す.いや,思い出すより先にGoogle(かその後継者)が教えてくれるかもしれない.

ともかく,僕はALSという難病があることを覚えたのだ.これは1km先の目標に対する1nmの前進にすぎないかもしれない.だけれど,氷水は「僕」を変えた.

これはキャンペーンとしては成功ではないかね?

少なくとも,僕も関わっている「こどもアート」の活動に比べたら,Ice Bucket Challeng の手法は大成功と認めざるを得ない.

言わずもがなのことを書いてしまったお詫びの印に,本当の大人がどのような対応をするのか,動画のリンクを載せておいた.

その後の人生に決定的に影響を与える出会いというものがある.

京大の黒田先生からのお声がけで,医学会総会学生フォーラムというカンファレンスのお手伝いをさせて頂いている.医学会総会学生フォーラムとは2015年開催予定の第29回医学会総会において,医学生たちから医学と医療に関する提言を行おうという場だ.医学生たちは六つの分科会,即ち,医療とIT,医療制度,医療人育成,死生学,在宅医療,医療技術評価にわかれて,それぞれ発表を行う.

話は昨年(2013年)の12月に遡る.TEDxKyotoチームの At-Large director*1 Masaさんのお誘いで,NOTOxGIAHSというイベントのスピーカコーチをさせてもらった.これは大学やTEDxKyotoを離れてスピーカの指導をさせてもらういい機会になった.TEDスタイルをベースに,独自のアレンジを加えたTEDxKyotoスタイルのコーチングが,TEDxKyoto以外でもうまく機能することを確認できたからだ.*2 *3

このような背景があったので,黒田先生から依頼があったときには,すぐにTEDxKyotoのコアメンバーに声をかけようと決断した.6分科会あるので,最低でも6名は呼びたいと思った.結果として,

Yucari Yonezawa
Kiyo Hasegawa
Eri Itoh
Ryo Shimizu
Taka Mitsugi
Isao Kitabayashi
Masa Kawamukai
Masatsugu Asai

という,TEDxKyotoが誇る8名の超スペシャルなメンバーが集まってくれた.しかも全員ボランティアだ.

TEDxKyotoはアイディアを発表し,交流し,新たなアイディアを生み出す場だ.そのような場を作る人たちは,自分自身強いアイディア,強いメッセージ,強いストーリーを持っていなければならない.ここに集まったメンバー全員が,その力を持っている.

僕たちは,学生たちの人生に決定的に影響を与えられるような合宿にしようと思った.僕達が分厚い防護服を着ていたら,そのようなことは絶対に不可能だ.僕はメンバーに特にお願いしなかったけれども,みんなが透明になって,新しいアイディア,新しいメッセージ,新しいストーリーを作り始めた.結果的にこの合宿は,僕たち自身の人生にも,決定的な影響を与えた.

2015年の医学会総会学生フォーラムに,期待していただきたい.

末筆ながら,合宿を支えてくださった事務局の皆様,チューターの先生方にも厚く(熱く)御礼を申し上げる.

*1 at-large には「逃走中」の意味もある.
*2 合宿というアイディアも NOTOxGIAHS から拝借したものだった.
*3 スピーカのコーチング以外の部分,例えばステージの運営や広報,おもてなしに関しても,TEDxSendai, Hack Osaka, 京都デザイン文化祭など,うまく機能したと思う.

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